渇いた夢/ホロウ・シカエルボク
、少女にスポットを浴びせ続けていた、部屋の中をぐるりと歩いてみたが、その他にはなにも残されていなかった、俺は少女を見た、彼女を封じ込めるためだけに作られた部屋なのだろう、でもその理由を確かめるための材料はなにもなかった、すべてをそのままにして出て行くことにした、頭蓋骨をもう一度入口に積み上げようとしてみたが上手くいかなかった、御免よ、と俺は少女に詫びた、少女は微かに頷いたように見えた、踊り場に出るまでずっと、彼女の視線を背中に感じていた、建物の外に出る頃には夕焼けが始まろうとしていた、逆光にシルエットを浮かび上がらせる別荘は静かにその役目を遂行しつづけていたのだった。
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