渇いた夢/ホロウ・シカエルボク
 
磋琢磨していた時代の遺物だ、スピーカーはゴーレムのように沈黙していた、またいつか通電する日を待っているのか、それとももうすべてを諦めているのか、その佇まいから察するのは不可能だった、三階にはもうひとつ部屋があると聞いていた、ただその入口がどこなのかわからないという話で、なんとも釈然としなかった、建物の外観を思い返してみると、確かに三階にもうひとつ部屋があるべきだという気がした、もしも三階がこの部屋のみなら、外観は上部が少し痩せた形になっていなければならない、ではその部屋の入口はどこだろうか、この部屋から行くのか、それとも廊下のどこかからか、窓の外の景色からこの部屋のだいたいの位置関係を掴み、おそら
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