羽(加筆した結果、散文に投稿することにしました)/パンジーの切先(ハツ)
は反対の脚にもひろがっていった。
募金活動で渡される、色の着いた羽を身体に貼って遊んでいた幼い頃の記憶が無限に再生され、ついでに当時、一億円を一円ずつ募金すれば、身体中に羽を貼り付けて、鳥になれると私が言ったのを聞いて、夢がある、と母と笑っていた、それからすぐに亡くなる祖父の笑顔を思い出した。祖父が亡くなったあと、棺に白い花を親戚たちでたくさん入れたとき、祖父が鳥になったように見えた、幼い頃のあの別れの直前の光景を幻視した後に、カッカと熱かった頭がスッと急に冷たくなって、眠りに近い深い感覚に襲われた。奇妙に思ったが、これを救いの手と捉えて、苦し紛れに、おじいちゃん、と私は呼びかけた。私には祖父
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