深海のモノローグ/ホロウ・シカエルボク
人間は一度しか生まれないわけじゃない、目覚める度に生まれているとも言えるし、何かひとつ書き上げる度に生まれているともいえる、何度生まれるかが勝負さ、その度に赤子のようになって周辺のものを取り込んでいくんだ、もしかしたら俺はそんなプロセスの中で生きていることが楽しいだけなのかもしれないな、それはもっとも原始的な知性で、成長なのさ…つまり俺はいつだって初めてそれを行うために無数の手段を覚えるんだ、たったひとつの事の為に沢山の回路を作るわけさ、本当に変わらないでいられるやつっていうのは、常に変化し続けているんだよ、たったひとつの道を走っているだけだとその道の走り方しかわからないわけさ、俺にはそういうのち
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