第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
〇バス・車内
最後部の座席に腰を降ろす
教平。
〇バスターミナル・駐車場
バスが発車する。道路へと
出る。その様を泣きながら
見ている美花。
美花「『お名残りが惜しいけれ
ど』」
美花、つぶやくように言っ
て。やがて見えなくなるバ
ス。
〇バス・車内
うつむいてる教平。泣いて
いる。泣きながら――。
教平「『おいきなさんせ早いと
ころで。仲良く丈夫でおくら
しなさんせ』――」
バスのフロアに零れ落ちて
いく教平の涙。『一本刀土
俵入』、茂兵衛最後の台詞
を続
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