第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
訊いてへんやろが、
ボケ」
末永「すみません」
久保「おまえ、演劇の一座に入っ
たんやって
な。青原の公民館でやってる」
教平「――」
久保「訊いてるんやけどな」
教平「はい」
久保「芝居とか興味あるんか」
教平「いえ、べつに」
久保「興味ないのになんで入っ
たんや」
教平「それは」
久保「当てたろか。黒沢先輩が
目当てや。え、そやろ」
教平「そんな、ちがいます」
久保「ほんまにかぁ」
教平「ほんまです」
久保「それやったらええんやけ
どな。あれ、俺の女やから」
とりまきからドッと笑いが起き
る「ちがうやんけ」の声。
久保「うるさいわっ。俺
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