Invisible奇候/あらい
む策も蒸した柵もない。よって庭は傷ひとつない、それなら芽吹いた先にある一本道の、単にせせらぎが無垢な幾千の防波堤は。ほんとうだ、干渉を嫌い凪と破れ、黄昏に折り重なるばかり。
それでいうことなら――月が綺麗ですね(?奥行の足りない暗渠に冷たく狭まるモノ?)雨がやみませんね。じゃあ「どうすればいいですか。」ぜいぜい喉を鳴らしながら、まさに喰みだした彼岸への問いかけにすぎない
(まるでつつがない、ふちでおわりはじまる プラネタリウムだろ。あの時刻表ではひかりは呼びかけに答えることなく、跳ねる硝子でのびた魚、鋭利な白樺と、雲雀の幸福はながいあいだ寝冷えしていた)
彼方はどうせひとりで眠る。再会と
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