The Show Must Go On。/田中宏輔
が凝集して水滴となるように、つまらないことどもが、つぎつぎと話の中心となって口をついて出てくる。「まるで唾となって吐き出されるって感じですけど。」とは、青年の返答。
薬によって頻繁に精神融合したために、青年は自分が詩人が考えるように考えているのではないかと思う。詩人が言っていた概念形成の話を思い出す。薬の効果について考える。薬の記憶に対する効果について考える。副作用について考える。副作用については、個人差が激しく、いったいどんな副作用があるのか、予測することができなかった。青年は、自分が変わってしまったことに気づく。
詩人が、青年のことを、もうひとりのわたしと呼んでいたことを
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