The Show Must Go On。/田中宏輔
とを述懐する。
「生のわれ甕は作り直せるが、燒いたのはだめ。」
(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』人生論、杉浦明平訳)
青年は、詩人と出会って、自分が大きく変わったことに思いをはせ、これからは、これからの自分は、変わる可能性が少ないかもしれない、と思った。そう考えることは、青年を不安にしたが、自分が変わる可能性が低いと思うとなぜ不安になるのかは、青年にはよくわからなかった。
愛だけが示すことのできる何か。作用し変形をもたらすことのできるもの、エトセトラ、エトセトラ。
あれは確かに死んでしまった。
(シェイクスピア『あらし』第二幕・第一場、福田恒存訳
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