詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その3。+あとがき/たま
 
いる。探しものをしているからこそ発見なのだとおもうし、詩人は好奇心の塊だともおもう。詩心なんていらないのだ。わたしにとって詩を書くこころは好奇心と恋心だけ。フリチンで肉を喰う熱情的な恋心だけが詩を生むのだとわたしはいいたいが、そんなわたしの日常を語れば詩になるような格好の良いものではない。
わたしの探しものはゴミ拾いとおなじ。つまり、わたしという詩人はゴミ拾いが好きなだけなのだ。


  あしたのりんご

 あしたを夢見るひとの、今日という日はどこにあるのだろうか。
 日が暮れたばかりの今日という日が、古新聞みたいに積み重ねられ、今日はいつからきのうになるのだろうかと、ぼんやり、考え
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