詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その3。+あとがき/たま
具体的に書いて見ようとおもう。けっして難しい話しではない。日常のなかでだれもが体験することだ。たとえば雨の日に海を見ているとふとおもう。数千年前の縄文時代にわたしは、というか、わたしの祖先は生まれたのかも知れないと。そうなるとわたしの意識は縄文時代へと飛んで行くのだが、もちろんその先はわたしの妄想の世界だ。問題はなぜ縄文時代なのかということ。縄文時代でなければいけない理由が、このわたしにあるのだろうかということだ。理由はごく単純でもかまわない。ひとにはかならず好き嫌いがある。縄文人や縄文時代が大好きでたまらないというのであれば、それだけで詩を書く理由になるのだ。
詩人はいつも探しものをしている
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