詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
金の週三日なんですけど、いかがですか?」
ん、どんなしごとですか?
「猫又木浜ですけど。」
え、あそこ?……。
月水金の週三日、九時から一三時まで一日四時間という再契約だった。
「ほんまかいな。あんた、それ、ええわ。断ったらでったい損やで。な、あんた、やりな。」
わたしの街では「絶対」は「でったい」と発音する。上田さんの「でったい」は妙に重みがあってつい寄り切られてしまう。それも年の功かもしれないが。それで、わたしも収入が安定するし断る理由もなく、九月以降も上田さんたちとはたらくことになるが、よく考えてみると、わたしにとってはそれこそが冗談半分みたいな話しだった。
シーズン
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)