詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
うぶですか……とは、問い返せないのだ。後期高齢者の来年の約束は冗談半分で成立する。来年の話しは軽いわらい話しでしかない。
猫又木浜海水浴場の駐車場は、十二月から二月までの冬期は閉鎖されるが、それを除くとほぼ年中開いていて、駐車料金さえ払えば自由に出入りすることができた。
それでわたしは気付かなかったけれど、上田さんと中川さんは三月から十一月までの契約ではたらいていたのだ。わたしは七、八月の二ヶ月間だったから、また来年とおもって、上田さんと約束をしたのだけれど、お盆もすぎたころに、聞き覚えのある若い女から電話があった。
「お世話になります。」
あ、ども……。
「九月から、月水金の
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