詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
一台と数台の自転車で運び去るには時間がかかりそうだった。
倉庫の入口を塞ぐかたちのわたしたちは、いったん追い払われることになって、昼休みまでの一時間あまり、駐車場のゴミ拾いをすることになった。中川さんとわたしは自転車の。上田さんはスクーターの。前と後の荷かごに、ゴミ袋と火バサミを投げ込んで南と北にわかれた。自転車の荷台にはスーパーの買い物かごが、結束バンドで固定されていて、ゴミ袋一杯分なら楽に積めた。だれが考えたか知らないけれどじつに安上がりだ。
午后はビーチのゴミ拾いだった。
炎天下のビーチだというのに乾ききった塵みはひとつもない。空き瓶や空き缶は汐水と砂を腹にため込んで、プラゴ
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