この雨の降りつづく夜の世界のかたすみで/秋葉竹
 
 

灰色の瞳のひとに
なりたいな
ひとの純白な夜のかたすみの
憎しみはほんとうのところ
涙が綺麗だと勘違いしている愚かさに似る
炎上する胸の奥から飛び散る汗と
同じ色しかしていない命の燃え滓なのに


この雨の降りつづく夜は
いったいいつになれば明けるのだろう
胸に飼っているもつれてしまったしがらみ
そんなものに操られて生きるのは
嫌だから嫌なんだ
眠れなければ眠れないままでいいよ
ひとり暮らしって
明けない雨の夜を泳いでいるみたいだなと
そしていつかエラ呼吸なんて
覚えてしまうんだあゝ人魚に逢いたい


おだやかな微笑みをいつも
浮かべていられる
[次のページ]
戻る   Point(3)