この雨の降りつづく夜の世界のかたすみで/秋葉竹
れるあのひと
みたいに光っていたいな
賑やかな災いが日々やって来る世界
悲しげな笑顔がグサリとちいさな胸を刺す
あのひとのすき透るみたいなカッコ良さは
まるで暴風に巻かれる甲虫の涙みたい
けんめいに逆らいつづけた白い罪びとの
悪に堕ちないための我慢の果ての涙みたい
逆らえない悲しみと背中合わせの罪
風は吹きいつだっていつまでだって
吹き
吹きつづけるから
吹きすさびつづけるから
あのひとが生きてくれているから
わたしも生きているのだと
心無い嘘ではない潔白を証明できる想い
この雨の降る
降りつづきまた降りつづける夜だから
夜は天国に行けなくてもいいかな
おだやかなまま死んだように眠りたいな
ほんとうに死んだように眠りたいだけ
叶ってこの
灰色の
希い
あゝ
灰色の瞳のひとになりたい
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