(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
 
頬を擦り付けた。二言三言何かを言った。
「どしたんな、どしたんな」
そんなしょうもないことだ。
顔を離すと半開きになった口が見えた。
近くにいた母に精いっぱい押しつぶした声で言った。
「今日かもしれない」「これからかもしれない」
職場に電話をして、今日猫を看取ることになるので休む旨を電話した。
少し苦しそうに息をしていた。
2日の絶食、焦って昨日上あごに何度かペーストのフードを給餌した。
2度。いや3度。食べてくれるのがうれしくて、3度目をしてしまった。
十分に周期はおいたはず。咳いてもいなかったし。
自分を死の責任から遠ざけるために頭が回った。本当に情けないことのために頭が
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