(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
 
ている座椅子に寝そべってた。
寝不足のせいか逆に目が覚めて、ぼっさりと布団をのけて声をかけた。
「降りる?」「のどかわいた?」「トイレ行く?」
返事はない。
抱き上げると、座椅子に爪を立てていてばちばちと音がした。
まだ、ぼくは今日がその日ではないと思っていた。
1階のトイレに下ろすとそのまま猫は崩れ落ちた。
ウンチ回収用のスコップに顔を突っ込んで。
慌てて抱き上げて声をかけた。
「おう、どしたんなら。だいじょうぶか?みずじゃったか?」
むすりとした顔でぼくを見ていた。
ソファに座りうるるるる、と言う猫の背を撫でた。
ちょっと不満な時に言うあの声に聞こえた。
猫の顔に頬を
[次のページ]
戻る   Point(5)