(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
 
いたからな。
力の入らない体で横になった姿に声をかけた。
一緒に寝る?どうする?
にゃお。
闘病が始まる前からのやり取りを久しぶりにできた。
気分じゃない時は返事をしてくれない。
いつものようにドアを開けて先に階段を登らせる代わりに抱き上げた。
いつものように何段か上がってはこちらを振り向いて目を合わせる。
その代わりに頬ずりをした。
にゃお。
階段を踏む。にゃお。階段を踏む。いつもよりゆっくり踏んだ。
now here

no were
二時間おきに目を覚まして、水飲み場やトイレに抱いて連れて行った。
本当にそうしたかったのかわからない。
想像の中の猫がどう思って
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