(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
っているかすら、何もわからなかった。
目の前にいる猫の気持ちもわからないのに。
トイレでもない、水でもない、ご飯もいらない。
ペーストやドライフードや、大好きだった鯛の刺身。
ジャンクなおやつ、介護フード、猫用ミルク。
温めてみよう、みんなが一緒に食事している時には食べるのかも。
絶食二日目、ついに強制給餌もしてしまった。しなければよかった。
夢の間に、取り返しのつかないなにかが近づく想像をする。
取り返しのつかない想像。最後が何かを想像する。
頭の中にいて欲しくないものを抱え込んで、それが不要なものだという現実を想像する。
きみを抱きしめて鎖骨のあたりに押し付けられるあの暖か
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