語の受容と解釈の性差について。──ディキンスンとホイットマン/田中宏輔
の自我を、自らのロゴス(構成力)と衝突させたり、混ぜ合わせたりして、同時的に、おびただしい数の複数の自我とロゴス(構成力)を獲得していったのだろう。あの歓喜は、興奮は、そのおびただしい数の複数の自我とロゴス(構成力)によってもたらされたものなのであろう。生成すると同時に消滅しゆく、あのつぎつぎと生まれては死んでいくいくつもの自我とロゴス(構成力)たち。まさしく、あれは噴水のようであった。魂の海を波立たせ、泡立たせた、あの興奮のあとも、あの歓喜の調べは、わたしのなかで、いまも少しくつづいている。そうだ。以前に、ある一人のゲイの詩人の英詩を翻訳しているときに、 water に、「波のような形を刻みつけ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)