その優しさの名前は夜/黒ヱ
ら漏れる声
「会いたい」 その一言を
喧騒揺らいだ 通り抜けた 泳ぎぬいた日々
今だからと 未だの想いを話して 果たして誰に
彼方に行ってしまった 廃れ切ったものたち
聞いて
「また何度でも何度でも 咲こう」
綺麗は結わえて また散るために
ひとつを 一本を掲げて思いを馳せた
愛でていた黄金を 落としてしまわぬように
凍える便りが聞こえても 今のひと時を
大切にして昇華したい この琥珀に
轟く これが最後の鳴りと 遠くに
響きはさ揺らぎに溶けて 突き刺さる
とても とても 会いたくて
何かを まだ見えない景色に その思いの先に
花言葉は 「さよう
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