いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
 

「あなたはいつも謎ばかり。本当のことをほのめかしてばかり」
「謎なんて言ってない。本当のことは、茜さんこそ避けてる」
「音楽の話にしてもそう。わたしには分からないことばかり」
「あなたは詩人だもん。きっと分かってくれると思う。メロディーのなかでわたしの言いたいこと」
「知らないよ。知りたくないの」
 わたしはいつものように彼女をにらんでいました。果林はぽろぽろ泣いていた。
 お互いが、お互いの気もちを分からないまま、なんでこんな喧嘩が続くんだろうっていつも考えてしまう。こんなの本当につまらない喧嘩だわ、お互いがじぶんの気もちに素直になれないから、たぶん本当にじぶんの気もちに気づい
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