いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
づいていないから、こんなふうにお互い傷つけあってしまう。
今だって。わたしは果林のことを、本当はどうしたかったのかしら。いいえ、分かっていたくせに……。
「ねえ。恋人どうしって、こんなふうにいつも喧嘩ばかりしているの?」
「そうね。お互いを確かめながら、たぶん結ばれてゆくのね」
「ふうん、いいな」
「良くないのよ。わたしにはもう」
「茜さんは、思い出したくないことがある。そうなの?」
「そう」
「それじゃあ、言わない。わたし、茜さんに同じものを求めているもん」
それでもまだ気づかなかった、わたしは馬鹿だったのかしら。
その日はメーデーだったのでしょう。捨てられたメ
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