いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
人ね。それで、きっと正しいことだって思う?」
「なにが」
「わたしの言ったこと……。わたしのすることが、決して悪いことばかりじゃないってこと」
「なんだか、果林は悪いことばかりしているような、言い方だね」
「そうよ。そうなんだ。わたしは悪いことばっかり」
果林がその後に付け足したこと、「あなたは良いことばっかり」それも低声で。
わたしたちはしばらく黙っていました。お互いに考えることがあって、気分がいいときには、二人は話さなくてもやってゆける。だから二人でそこにいて、そこにある空気を吸っているだけで幸福に時を過ごすことができる。今も、こわれそうな予感のただなかではあったけれど、わたし
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