いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
たしたちは今までどおりに暖めあい、労りあう友だちでいられるんだって……
そんなふうに感じていると、彼女は一人でぽつりと窓の外を見つめていました。
だんだんに暗くなっくる表通り。裏通りはもっともっと暗い。ただでさえ人は苦しいのに、果林のような生き方をしたら人はどんなに哀しいだろうか? 未来を予知するような、この考えが浮かんだのは、たしか彼女がふり向いてくれる2、3秒ほど前でした。
果林はいつものように快活でした。わたしは何か話さなければいけないような気になって、
「果林。こんど一緒に旅行をしたいの」
「急にどうしたの、茜さん?」
「ああ。あなたがいつか東京に行きたいって言ったの、思
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