いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
わたしに叫びました。
「はっきり決められない人は、嫌いなの。男の子でも、女でも」
「決めたがり。茜さん」
「誰か……が、あなたには必要なのね。茜さん」
果林はささやき声でそう言いました。
それから、わたしたちは何をしたのか、あまり覚えがありません。
白い光と軽いざわめきが、朝の窓の外からさしこんでいました。わたしは煙草に火をつけなくても、その明るさで目が覚めたのでした。
果林がそばにいるのかどうか不安で、まず、最初に彼女のことを探したんです。
彼女はわたしに勧められたベッドの上ではなく、ソファのなかで毛布にくるまって眠っていました。
「……どうしたのかしら」
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