いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
女の顔をじっと見すえていた……。こころの暗い広がりのなかで、果林は決然として、わたしから離れてゆくような気がしたんです。
「哀れみは、いやだ」
「哀れんでなんかいない」
「なに?」
「あなたが思春期の怒りをぶつけたいだけなら、他の人にしてよ」
「なに言ってるの? ……茜さん」
そう。わたしは何を言っていたんだろう。何を願っていたから、あんな言い方をしたんだろう。
今、わたしは思う。きっと、きっとそれも分かっていたんだって。
「あなたがわたしに何を求めているのか、はっきり言ってよ」
「ずるい……。茜さん、わたしには茜さんしか、友達がいないんだよ」
果林は非難したい調子でわた
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