入退院後の日記/由比良 倖
てずっと後回しでもいいと思っている。それよりも愛したい。楽ではない場所かもしれないけれど、愛することの先に、楽しい場所も、きっとあるはずだから。
それにしても、ああ、何でこうも自信が無いのだろうと思う。
午後は病院に行ってきた。空気に触れる神経から、内面までがぴりぴり震えるくらい緊張した。血圧は217あった。何なんだ、この今まさに人を殺してしまったみたいな緊張は、と思いながら「いつも高いんです」と、看護師さんに笑って言った。すぐ、「あ、いや、いつもじゃないんですけど、安静時は120くらいなんですけど」と口をついて出そうになって、まごまごしている内に、何か誤魔化しているみたいな気にな
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