【映画の中の詩】欲望という名の電車/藤原 実
を日毎日毎の 最もつつましい必要をみたすものと同じように
愛します、陽の輝く晝も ともし火の輝く夜も。
私は貴方を誰にはばかる所なく愛します、正義のためにたたかう人々のように、
私は貴方を純粹に愛します、その人たちが賞讃から身を退(ひ)くように。
私は貴方を 昔の悲しみに耐えた熱情を以て、
幼い頃の信仰を以て愛します。
私が今までに失つた何人かの人と共になくしてしまつたと思われた愛を以て
私は貴方を愛します、――私は貴方を私の生涯の呼吸と、
微笑と、涙を以て愛します、――そしてもし神様がお決めになるのでしたら、
私はただ死んでから後により一?貴方を愛することにいたしましよう。
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