あんた、だらしない口 してる/あらい
 
た廃園に


    雪月花を引きながら、おびき出した結果
    泣いていることに気づいた 月夜あり


  まあ そのすがた 傾けながら聴いてくれ



   翠生い茂る樹海の苑に腰掛け湿気った花の蜜を吸い
     微温やか水源に身を落とした、若葉の芽を数え
   藻に抱かれ深き眠りに尽きた増える菌糸の茎を織り
            傘をおもって展を見上げたもの
   ひのひかりは草木に覆われ 私はさぞや生きた心地
   そのあいだもひとかおり 月のにおいが零れてきて
                胸にたまらないのです



  まあ そのすがた
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