【映画の中の詩】『イースター・パレード』(1948)/藤原 実
 
やられていたジョン・ダンを現代に蘇らせたのはT.S.エリオットでした。
エリオットは、ダンをはじめとした「形而上詩人」たちを「思想を感覚によってじかにとらえることや思想を感情につくりかえ」「別々の離れた経験を合わせて一つに」し、「思想を薔薇のにおいのようにじかに感じ」させる、という有名な例えで称賛し、復権させたのでした。

ダンの詩では、自分たちははなればなれでいるようでも実は一つなのだ、と愛する二人をコンパスの比喩で描いたものがよく知られています。

{引用=ジョン・ダン『別れ・嘆くのをやめよ』(星野徹 訳)

たとえ魂が二つだとしても、その二つは
堅く結ばれたコンパスが二つであ
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