メモ1/由比良 倖
くならない。いくら脳だけが自分じゃないと言っても、精神病院は無くならない。僕は時には肉をむしゃむしゃ食べる。僕が勝てば、誰かは負ける。いろいろ間違った社会と、いろいろ間違った自分を生きるしかない。それにも関わらず、僕は幸せと平和はここにあると思っているし、まるで天国のような場所や時間が存在すると、本当に思っている。天上にある、遠い天国ではなくて、今ここにある天国。
4.4
言葉には匂いがある気がする。本を読みながら僕は、ずっとその匂いに浸っている。ただ本をじっと抱いている時もある。弟は、本は本屋で読めるから買わないと言っている。僕は買わないと、本を読めない。本屋では緊張して、心拍が邪
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