メモ1/由比良 倖
 
僕は、どう考えても友人のおかげで、人を信じるようになったと思う。少なくとも、心から信じられる人が、この世に絶対に存在することは、信じている。彼がいなかったら、他人なんて、みんな、本当にどうでもよくなってたと思う。殺してたかもしれない。何の感慨も無く人を殺せる自信はあったし、人を傷付けることが愉快なくらいだった。
 僕が、一番目を覚まされたことは、友人から「君がいつまでもそのままだったら、俺は君の友達をやめる」と言われたことだ。そのときは、本当に頭の中がさっと冷たくなって、本気で、病気をやめようと思った。他の皆は、適当に僕に合わせて、笑って、呆れて、そっと離れていった。
 冷静になって、時々自己
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