メモ1/由比良 倖
ばからない、一番の友人だけが残ってくれた。僕は彼に一番迷惑を掛けた気がする。しばしば言われることだけど、病的な精神の持ち主は、自分に良くしてくれる人にほど、ひどく当たることが、とても多いらしい。
傷だらけの腕とか流血をわざわざ見せつけたり、いきなり彼の部屋に女の子を連れ込んだり、騙して強烈な睡眠薬を彼に飲ませて、彼がかなり変になったのを見て、けらけら笑ったりしてた。真夜中に彼に電話をかけて、何時間も、彼の言葉を全く聞かずに、話し続けていたこともあったらしい。僕はそれを覚えてないけれど、取り敢えずアドレス帳の一番上から下まで、みんなに電話を掛けたことは覚えている。誰とでも親友になれるという確信が
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