メモ1/由比良 倖
 
:25])を光らせている。LEDの電球の光。コンセントを通して、遠い、遠い、原子力発電所と繋がっている。手を擦り合わせると、熱すぎるくらいの体温を感じる。
 僕が、僕であり、僕でしかないことには、時々強い不安を感じる。だから、時には宇宙を感じたい。この街の四季や、月や空の高さだけじゃなくて。全てになりたいと思う。他のことは何も感じない。昼間の小さくて惨めな僕はとても遠い。ただ僕とノートとお気に入りの万年筆。この闇の時間に、僕は何処までも溶けていく……。


*2.2
 僕が僕である以上のことは書けない。「普遍的な自分」なんていない。誰かより偉い自分もいない。数学や科学、哲学の中には、真理
[次のページ]
戻る   Point(3)