メモ1/由比良 倖
多幸感が羨ましくて、最強クラスの麻薬であるヘロインにとても憧れていた。快感が一瞬であっても構わないと思っていた。ヘロインは素晴らしい快感を生じさせてくれるけれど、本当に気持ちいいのは数分間だけらしい。しかも効果が切れたときの苦痛は身体中の皮膚を剥かれて火あぶりにされたり、極寒の地に裸で放り出されたのかと錯覚するほどの、これ以上考えられないほどの地獄らしくて、その苦痛を抑えるために、またヘロインを打つという連鎖に、簡単に陥ってしまうらしい。自殺すること前提でなければ、とても手が出せない。
だから一番いいのは、薬物無しでナチュラルハイに陥ることだ。
ライティング・ハイってあると思う。書くこ
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