「君たちはどう生きるか」を自分はどう見るか/木屋 亞万
回ちがう。どんどん抽象的で短くなっていく。
駅まで迎えに来た自転車のきしみ。トランクを渡すときの父の「重いぜ」。そして重そうに荷台にのせられる。舗装されてない道を上下に揺れながら走る荷台。家に着いたら、家族用の内玄関ではなく、「はじめてだから来客用の表玄関から入りましょう。」というくだり。奥まで続く屋敷、長い縁側。お寺や城にありそうな豪華な襖絵。廊下の暗がりにいる謎のじいさん。内玄関に置かれたトランクとうごめく老婆。和風の豪邸と、眞人が住む擬洋風建築の住まい。ナツコがいるときと、ナツコが辞した後の「母親に似てきたね」というばあや(主にキリコ)の二面性。
アオサギの姿かたち。ぬるっと
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