「君たちはどう生きるか」を自分はどう見るか/木屋 亞万
富裕層から見た戦争。物資が不足している中で、あるところには食べ物があるものだという描写。お金持ちの子どもへの軋轢と孤立。
今作では妹はいないし、父も生きているので、設定の異なるところもあるが、戦争のころを描くというのが「風立ちぬ」も含めて、近年の宮崎作品の一つのテーマであるのかもしれない。「風立ちぬ」ほどではないが、今作でも飛行機の部品が登場し、父が軍需工場で飛行機などの製造をしていることが伺える。
ナツコの産屋を守る紙の札。神社のしめ縄についている紙垂の亜種みたいなかたち。輪になっているから、夏越の大祓の茅の輪くぐりっぽさもある。「千と千尋の神隠し」の銭婆がハンコを盗んだハクを攻撃し
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)