第八都市/狩心
 
い縛り
顔面を煙で覆い尽くして
懸命に指名手配犯の
逃走者であろうとする試みや嗚咽
二枚舌の女をビンタして
三枚おろしにされる私の
寝息がぽつぽつとシャボン玉になり
消えていく
空の中に、心の中身の中に、
深みの中に、渋みや苦味の中に
時計が降りて
 地平線からゆっくりと現れてくる
 第八都市のざわめき
 その、
 光の瞼や闇の呼吸
 腐敗の徒労 渡来人の軍勢
 司令官は旗をはためかせ風を作る
 病を作る 萎びた老人を作る
 夢の中に中年を作る
 中年の彷徨いに 肉の瞼を作る
 飛び出す骨の目
 鬼のパレード
 火を浴びた姫君のパレード
 生理的な欲求
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