予言(君の寝言を)/秋葉竹
 
ほんとうのやさしさなんだって
わかるよいまになってね

ずるい心しか
残っていない慈しみの女神の手は
われわれの終わりの瞬間の
項垂れたあたまを
やさしく撫でてくれようとする

すり寄ってくる
白っぽい影は
やがて世界中に広がり
壊れかけたエアコンの中にも
潜り込み
ジッと
人間を観察しつづけるのかもしれない

いいよ

予言を
してあげる

人は
いずれ
死ぬよ?

人類は
いずれ
滅びるよ?


人が消えるとき
喪う悲しみに侵食されるとき
そこにあるのは何十万年の
人類の悲しみなんだって
ほんとうの意味を知らされても
なん
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