詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
 
感情と言葉が結びついているのか、書いている最中には微かに分かるけれど、言葉と感情との繋がりをぷつっと切って、そこから改めて言葉の仕組みについて考えても、「言葉ってややこしいな」という嫌な感想しか出てこない。
 本を沢山読んで、熟読して、心の底に言葉を沈めていくしか無いのではないかと思う。そしてまたそこから言葉を掬い出す。ロボットには他のやり方があって、その内ロボットと対話出来たら面白いと思う。人間の書き方は、言語学や言語の仕組みの解明では発達しなくて、心の底をもっと旅出来るような方法が確立されるしかないのだと思うけれど、その進化はとても遅いと思う。ゆっくりゆっくりと新しい本が書かれて、古典として
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