詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
 
セイも読んだけれど、いまいち面白くない。詩を生きた人だから、詩を読めばいいんだと思う。詩よりも本人の性格や生活が面白いなら、詩なんか読まない方がいい。詩以外の、彼自身が書いた言葉には私小説的な、生活の重みみたいなものがあって、とても感動的ではあるのだけど、ずっと傍らに置いて読みたいとまでは思わない。

 英語を学ぶのは、日本語をマスターしてからだと思っていたけれど、到底マスターすることなんて出来たりしないと、最近には分かってきた。そしてまた英語もマスター出来ないだろう。極めるなんて無理だ。ある意味、言葉とは無意識から掬い出してくるものだと思うけれど、無意識は底なしだから。どこでどうやって、感情
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