詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
 
る感情を感じられたら、日本で一番面白い詩が読めると思う。中也の詩はリアルだ。世界的にも歴史的にも残る詩だと思う。中也の詩をよくよく読めば、言葉の勉強はそれだけでいいと思う。それも、まあ、そういう説明は後付けで、最初に中也の詩に惹かれたのは何故か、すごく惹かれたというだけで、あまり言葉にしない方がいいのかもしれないけれど。

 言葉って、すごく面白い。言葉があることは本当に不思議なことだ。心の奥深くにある暗闇のような楽園のような、普段はよく見ることの出来ない場所。言葉について考えていると、心の底の方にどんどん降りて行ける気がする。
 僕は例えば「遙かな空」という言葉のイメージを心得ていると思う
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