記憶は決して温まることは無い/ホロウ・シカエルボク
 

失おうとしている自分の生を必死で見つめていました
その蛇を殺すことは正義でしょうか
わたしには答えを出すことは決して出来ないのです

散らない花を誰が愛するでしょう
叶わぬ愛はきっと歌になり続けるでしょう
あなたはいつだって立ち続けるでしょう
わたしはいつだって見つめ続けるでしょう
子兎を飲み込んだ歪な蛇は
消化される間に様々な夢を見るに違いありません

あの頃ノートに書き綴った
物語の続きはもう忘れてしまった

あらかじめ決められていることがたくさんあるせいで
人はもう人で居ることすら出来ません
とうの昔に終わってしまったしきたりをぼんやりと守りながら

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