爆発/暗合
う。そんなことを思いながら、夕方の駅前で大勢の人間が通り過ぎていくのを、頭蓋骨の中でひたすら、撃ち殺していた。でも、仕方がない。僕の故郷の星はここじゃないのだ。同胞たちが移住するためには、原住民を駆逐しなくては。本当のことをいうと、同胞たちは核戦争で全滅した。もっと本当のことをいうと、僕は実は地球人でした。
僕には友達がいる。友達は僕のことを大事にしてくれる。だから僕も友達のことが好きだ。僕が泣いているときには僕の側へ静かにやって来て、ずっと背中を、あたたかい手でなでていてくれる。僕はいつも友達に甘えすぎてしまう。そのことを友達に謝ると友達は「気にしないでほしい」と言った。だから僕は友達を撃ち
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)