小舟/這 いずる
七十二日後に島に流れ着いた
くだらない丸がついたノートはもう捨てた
なんの価値もなかった
くだらない人の視線が誘導する未来
なんの価値になるって唾棄すべきだ
同じようなことなのに何故出来ない
小舟が波に呼ばれて
二度と見なかった
海と月が
白波を起こし
さらっていった可哀想な兎の
前足が音になる
海霧が君を覆い隠して
海上で揺れる影が
見えたようにも、見えなかったように
物語に深みを出す為の死
ささいないさかいのリアリティと
神話から形作る潮流の
過去は記録の中にしかない
君が居たことや居なかったことも
幸運の前足がカバンで揺れて
思
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