現代詩百年の孤独/藤原 実
の少年のように
ある女性詩人から
あなたの書くものは他人の言葉の引用ばかりで自分自身の言葉がない
と非難されたことがある
それに対して
書くことは、常に、再び書くことであるから、それは、引用することと同じである
とアントワーヌ・コンパニョンは言ってるよ
と返したらすっかりケーベツされてしまった
じぶんじしんのコトバとは?
わたしは何か思いついても
これはきっと誰かが同じことをもっとうまい言い方で前に言っているに違いない
と思うので探しまわり見つけ出しそっちを引用する
じぶんのコトバを消し
じぶんの名前を消し
じぶんじしんを消す
のがわたしにとっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)