自由形のパレード/ホロウ・シカエルボク
 
れているけれど、でもそんなことは大した問題ではないのさ、だってもしかしたら、そう―俺がこんな風になにも無い宙を舞う時、瞬間的に死んでいるのだと思うことがある、でもそれは肉体的な問題ではなく、たぶん精神的な部分によるものさ…俺の言ってることわかるかな、勇敢になればなるほど、臆病は増えていくとしたものなのさ、物理的にあらゆる束縛から僅かでも逃れる瞬間、それは観念的に言えば死とさほど違いの無いものだとは思えないかね…?わからない、と俺は答える、空中ブランコの男は楽しそうに微笑んで、空間を移動したみたいに居なくなる、あとには途轍もなく高い、薄曇りの空だけが残された、物理的にあらゆる束縛から僅かでも逃れる瞬
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