ジャミラ(ウルトラマン)/角田寿星
振りかえって
地球を見つめたというのに。
ジャミラが科特隊の宇宙飛空士となったのは自明の理であろう。
未来に与みして両親を振りかえらせたジャミラは宇宙開発の事故で
頭部と肩がくっついて頸が失くなり
振りかえらない/かえれない 躯体になった。
「科特隊には戻りませんでした
実験体にされるのは
水を見るより明らかだった
年間平均気温50℃
メタンガスが沸きこぼれる海
温暖化した地球に適応しうる新人類
わたしの躯体が地球の未来に寄与するだろうことも
「でも科特隊はわたしを見捨てたんです。
許せなかった
なにが平和だ 未来だ と
地球は
美しい惑星
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